信号線が長くなると、配線の抵抗や容量成分の影響により信号の時間構造が変化し、エネルギーが時間方向に広がります。このような変化は、直接音に対して遅れて現れる成分(遅れた音)を生じさせる要因となります。
1. 信号線が音質に影響する主な物理要因
信号線は回路として見ると
抵抗 R、容量 C、インダクタンス L、を持っています。
特にオーディオ信号ではR と C の影響が大きくなります。
長くなるとRC時定数が大きくなる、高域の立ち上がりが鈍る、位相が回転する、という変化が起きます。
2. 時間領域で見ると何が起きるか
時間領域で見ると信号は、立ち上がりが鈍る、エネルギーの分布が広がる、つまり、音のエネルギーが時間方向に広が状態になります。これは、「遅れて現れる成分」になります。
信号線が長くなることで信号の時間構造が変化、エネルギー分布が広がる、結果として直接音に対して遅れて現れる成分(遅れた音)を生む
3.長い信号線では、トランジェントの鈍化、微小信号の滲み、音像の輪郭低下、が起きます。
これは、①繊細さ、②透明感、③見通し、が低下します。
これは、音質の違いを一つ一つ検証していて常に実際に感じていることですが、実際に理論的にも合致します。
音が変わる原因をキャパシタンス(C)、とインダクタンス(L)による位相変化による高速応答と過渡特性への影響とした場合、
長さを半分にすると C と L の値もほぼ半分になります。
しかし、導電体、シールド、被覆 の 材質や、ツイスト構造を変えてもその変化量は半部とは程遠いものとなります。
高速応答 、過渡特性が良くなると、位相変化、過渡変化 が非常に聞こえやすくなります。 つまり高性能再生システムが音質測定器のようになる
信号線はできるだけ短くする
信号線では、導体の材質よりも長さによる影響の方が大きくなる場合があります。
ケーブルには抵抗、インダクタンス、静電容量といった分布定数が存在し、これらはすべて長さに比例して増加します。
とくに静電容量は信号源の出力インピーダンスと組み合わさることで回路的なフィルターを形成し、信号の振幅だけでなく位相特性や過渡特性にも影響を与えます。
このため、信号線が長くなるほど高域の微小信号やトランジェントの再現性がわずかに変化し、その影響が音の立ち上がりや音場の見通しに現れることがあります。
VCDスピーカーを用いたシステムでは高速応答により微小な変化も観察しやすいため、このような違いも比較的明確に感じ取ることができます。実際の試聴においても、信号線の材質による違いよりも、長さの違いによる音質の変化の方が明確に感じられる場合がありました。
このような理由から、本システムでは信号経路に不要な要素をできるだけ持ち込まないことを基本とし、信号線は可能な限り短く構成することを重要な条件としています。
信号線は導体材料よりも長さによる回路特性の変化の方が支配的になる場合があり、信号経路は可能な限り短く構成することが重要です。
音質を左右するのは導体材料ではなく、信号経路の回路条件です。